*DC MOTOR(一般・低価格/ブラシTYPE)のドライブ等について*
**:最近(2001-12-27)MOTORに関する非常にいい本が技術評論社
から1、480¥で発売されたので、参考にするといいでしょう。
タイトルは”小型モータのすべて”です。
今回は特別に加筆しました。本の内容と直接関係の無いところも
有りますが,参考に読んでください。
A:DC MOTORを大きく分類するとブラシ/マグネット/汎用TYPEや
ブラシレスTYPE及びスッテッパーTYPEがあるが、ここではブラシ/
マグネット/汎用を取り扱う事とする。特徴として:低価格・入手が容易
・ドライブが簡単・トルクが大きさの割合に比べて大きい・
低電圧可・正転・逆転が簡単:電圧と回転数が比例/効率が良い等々。
一方欠点として:ブラシが有り寿命が短い・ノイズが大きい・コギング
が大きい温度上昇し易くそれによる回転変動が大きい等々。
B:構成/外周に永久磁石で中心にコイルを巻いたロータ(電機子)
とブラシ及びコミュテーター(整流子)からなる。通常3極以上が
用いられる。
C:等化回路/直流的には、コイルの抵抗分と逆起電力の直列である。
交流時には更にコイルのインダクタンス分が加算される。
温度や回転数によって変化する。
D:使用MODE/1方向回転運転かワイパーの様な左右往複運転
N/ギヤBOXを取り付け回転数を下げるギヤードモータ・
エンコーダやタコジェネレーターを内蔵させて、サーボ機構を設けた
サーボモータ等々。
F:ドライブの方法/電源電圧に回転数(トルクも)が比例するので、
回転制御は電圧を上下させる。供給電圧が一定の場合は
抵抗か半導体回路(定電流)を付加。但し熱損失が大きくなる。
通常は回転数を一定にしたいので下記方法で電気を供給する。
G:センサー無し1/モーターブリッジ回路の一片として接続し内部抵抗
ゼロに(内部抵抗の変動を除外する)方法。専用ICも数社から出ている。
回転電圧のみ取り出し、これをタコジェネに見立てた比較的安定度が
高く負荷変動にも強いのだが,あくまでもモータの内部抵抗等が
変化しないと云う前提なので、温度補償抵抗をMOTORに密着して
,変動を補正する。IC等部品も少なく低コスト可。但し
可変範囲(SPEED)は狭い。
H:センサー無し2/モータに電流検出抵抗を挿入し、電流が磁極数だけ
切り替え時に変動するから,これをパルス化して速度制御する。
但しブラシが磨耗するとNOISEが大きくなり変化するので,
検出が広い範囲に適応させるのが難しい。パルスをF−Vコンバータで
DC電圧に変える方法・モノステーブルマルチバイブレータの出力を
平均化させる方法・PLLやAFC回路を組む方法等々。
比較的低価格だが、ブラシの影響大。
I:センサー付き1/光センサ−(エンコーダー)や磁気可変抵抗・
ホール素子・磁気発電機(タコジェネ)とF−Vコンバータ/
PLL/AFC+強力MOTOR−DC AMPを組んで
フィードバックを掛ける方法。AMPドライブも電圧ドライブと
定電流ドライブの二通りの方法がある。最もコストが掛かるが、
安定度や信頼性が高い。
J:センサー付き2/モータに発電機を付けて低速で廻すと正弦波の
出力が得られる。但し出力はE=−L*dt/dψ(ψは磁束:t=時間)
の関係からSPEEDが遅いと出力電圧も下がるので,
発電出力をノイズフィルターを通して増幅し,その後コンデンサー
と抵抗でイコライジングすると,SPEEDに関係無く出力電圧は
一定になる。フィードバックの中に加算回路を設け一つは発電出力
を,もう一方に外部の正弦波発生器の入力を入れるとMOTORは
正弦波に追従するので、広い範囲の回転数範囲が得られる。
この方法だとMOTORの制限内で例えば往復状波形や
SWEEP(時間に比例して速度を変える)など,色々
(例えば測定装置等)応用出来る。
但しコストが高い。センサーを静電型に変えて精度を数マイクロラジアン
にした製品も有る。
K:回転方向制御(極性反転)/DC
MOTORは供給エネルギーに比例して
回転するので極性を変えるには電圧を反対にすれば良い。
継電器やSWITCHで電圧/極性を変える方法(低価格)。
半導体でブリッジを組む方法(コスト中位)。両極性リニアードライブ
(コスト高い)で使用する方法等。
L:安定化/タコジェネや光学センサー・磁気センサーの出力はパルスなので,
回転に対してパルスの数が充分無いと制御が飛び飛びになりコギング
(回転ムラ)が大きくなる。そこでプレイヤー/ターンテーブルのドライブ
の様に制御を2重化してより安定度を高める。
例えばパルスの入力に対し位相出力と周波数出力を用いる。
PLLとF−Vと2種類用いる。センサーをパルス型とアナログ型
(例:発電出力型)2種用いる。但しコスト程に精度は上がらない。
M:パルスドライブ/モータに直流ではなく一定幅のパルス電圧を与え、
その数を変える。もう一つの方法はパルスの数は一定で幅を変える
(PWM)方法。後者はノイズに有利だが,回路が複雑。
どちらも、エネルギー効率が良く発熱が少ないが,応答性は悪い。
一定速度回転や電池使用の機器に用いられる。
N:回転制御実験:田宮のMOTOR(RE260)付減速GEAR
(ウォーム歯車)KITが700¥位で(減速比216:1/336:1)
入手出来るので実験してみた。まずGEAR BOXを216:1で
組み立て3Vで動作確認。厚紙(1mm)をコンパスで直径30mmの
円を描き,切りぬく。次にマジックで黒く塗りつぶした。中心に穴を
開けて、外周にはば1mm-2mm/深さ5mmの
切込みを入れた。シャフトにボンドで固着。東芝等のPHOTO
インタラプタ(LEDとPHOTOトランジスターが黒いプラスチック
に対向して収めた物。可視光と赤外TYPE有り/約200¥位)
のLEDに330 OHM 1/4Wを接続。PHOTO TRに3K
OHM接続。出力をTR 2SC1815で反転。それをダーリントン
TR2SD633(約200¥)でMOTORドライブ(ON−OFF)。
詳細は下図参照。GEARがゆっくり回転しスリットを通過すると
TR2がOFFになり、そこで停止。手でずらす(厚紙)と又回ります。
これは、減速すればその状態で(ゆっくりしているので)スリット
による(約1周二秒)低価格MOTORでも回転制御が可能という事です。

更にジョイントで減速すれば(10:1位)1回転の1/10で
(1回転の時間が2X10=20秒かかるが)可能
(GEARの遊び等無ければ)制御出来ると(低コスト)
云う事です。因みに工業用の50Wクラスの多極MOTORの場合
力が大きく更に電気子が重いので直付けでも、スリットの所で
(5V時)きちんと停止出来ます。(但しMOTOR部が数十万するが)。
模型のMOTORは比較的高速で運転しているのでスリットが
狭いと通りすぎてしまうので,電気的に0.5秒程停止させれば
より確実でしょう。工業用のMOTORも大きな力を出すには
(同じ条件で)大きな電圧を掛ける必要が有り,高速で回転
するので、GEAR BOXの減速比が大きい物が必要となります。
更にブレーキ特性を改善する為実用機では、コンプリメンタリ
定電流ドライブ回路が必要となるでしょう。
O:ギヤーBOX/駆動軸盲点/ステッパーMOTOR等で精密に
回転位置制御をしようとした時に顕微鏡やステージ軸のように軸の
ガタツキを嫌う物には要注意。ギヤーBOX付きステッパー
MOTORでも,出力軸が3-5度位軸に遊び(バックラッシュ)が
有るのもめずらしく無く、折角の精密制御もとんでもない所に
盲点が有ります。ウォームと平歯車の場合,スプリングで
ウォーム歯車に(軸に直角に)コンプレッション(押す)方向の力
を与えると,歯車が密着して遊びが減ります。通常の歯車の
場合差動接触させれば、殆ど遊びが無くなります。
方法としては,同じ歯数のギヤーを2枚僅かにずらして
接着します。相手側の歯から見ると両サイドの歯が接触するので
遊びが殆ど無くなります。昔の高級TUNERのバリコン軸駆動に
その方法がとられました。結局こういった所(メカ)に精密機器は
金が掛かっているのです。
(但しこれらは組み立てたときに0.1mm位の遊びしか発生しない
程度の部品の使用を前提としています)。更にMOTORに
精密級エンコーダーを取り付ける時も要注意。最近1回転で3万
パルスの製品も珍しく無くなってきましたが、これもあくまで軸ぶれが無い事を
前提としているので、模型のMOTOR程度では使い物になりません。
P:DC MOTORのステッパー化/一見無理っぽいような気が
しますが可能です。但し七極以上の精密級MOTORと極めて
ドライブ能力の高いMOTOR AMPと各種位相補償回路が
前提ですが。ステッパーMOTORも起動時・停止時はパルス
レートを下げて処理しています。起動時はゆっくり(0.5秒位)
その後、定速運転。最後にSTOP ポイントで停止しきれず
OVERした時は,元の停止点までゆっくり逆転し停止点でSTOP。
位置制御ですがアナログ・デジタル兼用制御します。
MOTORにエンコーダーを接続して、インクリメントパルス出力で
D/A変換します。一回転時のD/A変換は後処理の関係で
正弦波が望ましいのですが簡易的に3角波でもOKです。
波形は256M−EP/ROMでテーブル変換致します。
信号は制御信号の3角波 or 正弦波に追従するように全体に
FEED−BACK(負帰還)されます。MOTORはパルスの数ではなく
波形に追従するよう動作しますが、波形はエンコーダ及び制御パルス
によって作成されるので,
結果的にパルス制御されるのです。応答周波数はMOTORと
制御される側の慣性質量にもよりますが,無負荷時良くて30-40hz
位でしょう。位置制御に関して筆者の経験では
MOTORに静電式のセンサーを内蔵して数マイクロラジアンの
物も有りました。MOTORの軸は3重の精密ベアリングが施され軸ぶれは,
感じません。AMPは予想最大出力の3X以上の供給能力が欲しい所です。
信号処理においてD/A変換時に出るひげ状のノイズを取るデグリッチ
処理が必要です。MOTORは慣性を持っているために遅れ位相補償
が必要ですが、オーバーシュウート(いきすぎ)の関係で進み位相補償も
含めた遅れー進み位相補償回路の実際の運転による調整が必用でしょう。
Q:超低速回転制御/測定器や実験で円滑かつ超低速回転が欲しい時が
あります。たとえば30秒で一回転とか。ベルトやギアBOXで減速する
のもひとつの方法ですが電磁ブレーキと回転力の制御で
実現する方法。光エンコーダで制御しようとしても、コギング
(ちいさなぶれ)がはっせいするので
エンコーダ出力ともうひとつリアルタイムに出力できるセンサーの
2重サーボ系を共用する方法。例えば磁気抵抗素子と
回転磁石を使った高分解能ポジションセンサーとかです。
内部にAIRを流し発熱(MOTOR)が影響するのを防ぎ、
かつバルクハウゼン/ノイズ除去回路をつけます。素子の
歪や直線性を補償する為に前記と同様に補正(ROM)
/重み処理が必要でしょう。出来れば20極以上のMOTORが
のぞましいでしょう。1回転の素子出力と回転角を正確に校正して,
補正表を作成していきます。信号はこのイコライジング
(前置補償)回路を通して正規化された後MOTOR制御回路
に注入されます。AC二相MOTORも制御性が高いのですが,
発生トルクが低いのが欠点です。(トルクの大きい物は高い)
R:2相モーター/若干本題から外れますが2相MOTORも
ステッピング化できそうなので、記載します。
一般のAC MOTORは二つのコイルを使って回転磁界を作っています。
片方のコイルにコンデンサーをいれたり、隈どりコイルという,
一種のショートリングで片方のコイルの電流位相をずらして、回転場を
作っているのです。2相MOTORはその2種類のコイルが直接
出ているので,外部の装置で二相の信号を用意しなければ,
なりません。出力はコイルX−Yのそれぞれの電流の積に比例します。
あまり一般的な用途向きでは、ありません。通常Xコイルに正弦波を,
Yコイルに余弦波を流し、制御するときは,両方の電流振幅を
同時に加減して,制御します。追従性が高いので小トルク向きの
試験機等に良く用いられます。制動は逆向きの信号を流して、
停止させます。コアの大きさによって追従範囲が、変わります。
欠点は制御系が複雑で二相なのでドライブも倍必要です。
センサーは一般的に光エンコーダTYPEが用いられます。
又トルク制御に向いているので,そのような要望の所に
使用されます。従って精密制御が出来ますので、ステッパー化も
容易ですが、MOTORも含めて、かなりコスト高なので,
その意味では向いているとは言えません。
*関連部品・オプション(DC−MOTOR/ステッパー MOTOR)
A:変速機/多くは歯車の組み合わせで行い、歯車もバラで買える。
但しバックラッシュの問題がありそれを防ぐには相当のコストが
必要だ。例えばウォーム歯車の場合じくをバネで押すか引くかして、
常に遊びが出来ないようにするのだが、押し付けすぎると回りにくく
なるので要注意。平歯車の場合片方を2列(2枚)にして
軸を少しずらして接着 or ネジ止めか2個のスプリングで引っ張る
ようにするか。もしくは、歯車軸全体をバネで引っ張るか。
値段が合えばボール変速機を使う手もある。
他にSTEELベルト式やローラーとボールを使用した物もある。
B:ブレーキ・クラッチ/専門メーカーから幾つかでているので
カタログを取り寄せる。但し小型の物は少ない。
C:ジョイント/多くのメーカーから多くの品種がでている。
バックラッシュが無くて軸のある範囲で許容できる
ボールジョイントがお奨め。後、かなり(45度)位まで軸を
傾けられるユニバーサル TYPEも便利。更に自作になるが、
かなり強いスプリングにゴムをコーティングもしくは被覆させて、
両端にカップラを付けた物とか、色々考えられる。
D:回転エンコーダ:殆どが光学式か磁気式で回転事にパルスを発生する。
1回転30パルスから光学干渉式を使用した何十万パルスの
ハイグレードの物まであるが、見落としてしまうと意味を
なさなくなる軸ぶれを必ず確認する事。
E:アナログ出力エンコーダ:磁気抵抗を用いた物や光エンコーダーで、
出力がアナログ(擬似正弦波状)なった物が有る。
うまく使えば非常に細かな位置制御が可能になる。例えば23回転
+2/3のポシションとか。ただし光DIODEや磁気抵抗素子の
温度特性(出力振幅)が外気温に影響されるので、
振幅CALとかが必要になる。出力の変動を下げるには例えば
光エンコーダの場合、温度保証回路を付加する。具体的には
発光diodeに直列に抵抗と小信号diodeを直列に入れる。
出力振幅変動が出来れば0.1%以下位が望ましいが、
用途によって精度が変わるので、それによって追加回路を
決定する。現在光エンコーダを借用交渉中なので、
入手出来れば報告したい。変わったTYPEに静電容量式位置
(角度)センサーが有る。上下の半円盤電極の間に、同じ
形の半円形板を回転させると、180度の
(上下の半円形の極板のエリアでは)、回転角・位置に
面積即ち静電容量は変化するので、静電ブリッジを組むと
180度の範囲では回転角と出力電圧は比例するので、細かい
(数u rad可)精度も可能となる。精度は組み立てと、半円形板の
平坦度や機械加工精度により、決定される。概念図を下記に示す。

F:駆動用Power Amp/アナログ式の駆動AMPには基本的には、
電圧ドライブと電流ドライブが有るが、MOTORやSpeaker
のようにインピーダンスの変動が激しい負荷の場合電流ドライブの
方が向いている。応答性では電圧型が、制御能力性では
電流型が向いている。尚負荷ドライブ能力(電流)は最大要求
電流の3X以上が望ましい。原理図を下記に示す。

MOTORの端子に位相補正のために0.1UFと10 ohm/1W
を直列にした物を、並列に接続する。
図の回路では、1V入力で1Aの出力電流が得られる。
尚DIODEを3本にして、エミッター抵抗を1ohm
にすると、バイアス電流は300mAになる。DIODEの変わり
にVRにしても良い。